自分でも物持ちがいい方だと思っている。うちで使っているノートPCは、10年ぐらい前のものだ。もっぱらインターネットで、調べ物をしたり、知人にメールを出すぐらいにしか使っていないので別に不自由は感じない。それでも新しいモノには興味津々なので、悪友にそそのかされて、最新型のミニノートというのを使わせてもらうことになった。僕のためにわざわざわ奈良からメーカーの方が先生として駆けつけてくれるという。メカにはさっぱり弱く、すぐに自棄を起こしてコンセントを引き抜いてしまう口なので、先生がいれば少しは安心できそうだ。こうして僕の新たな挑戦が始まった。先生の名前は仮にH先生としておこう。
「このノートPCの最大の特徴は気持ちが伝わることなんです」
「どうやって気持ちを伝えるのかな?」
「キーボードを使わずに、ペンを使って文字や絵を描けるんです」
「この手前の小さな窓みたいな画面に絵が描けるの?」
「ちょっと試してもいいかなあ〜」
「ええ、本体の横に専用のペンが収納されているんで、取り出してください」
「このペンの動きを感じるというわけ?」
「そうです、でもペンだけじゃなくて指にも反応するんですよ」
「いままでも、液晶画面がタッチパネルになっているものはありました。
でも、ペンが使えるものは、軽い指タッチがダメで、その逆に軽い指タッチが使えるものはペンがダメといった
制約がありました。この光センサー液晶パッドは、
指やペンの動きを影絵のような像として感知するので、
どちらも使えるようになったんです」
「なんかにぎやかな絵が出てきたねえ」
「この背景は好きな絵や写真に入れ替えられるのかなあ〜」
「もちろん、お好みの画像に変更できますよ」
「それじゃあ悪友の小平くんの撮った写真がいいな」
「まず、メモリーカードを本体の横にあるスロットに差し込み、
『フォト』で『メモリーカード取込』をタッチすると、自動的に画像が読み込まれます。
次に『SHAPP 液晶パッド設定』の『背景』で
いま読み込んだ画像を選択するとこうなります」
「これはいいね! ずっと見やすくなった」
「では、改めてこの真ん中にある『タッチ操作へ』というボタンを押すと、手描きイラストのための画面に移動します」
「手描きイラスト以外にも、いろんなボタンが出てきたよ。これも指かペンでタッチすると機能が呼び出せるのかな?」
「そうなんです、例えば『電子辞書』のボタンを押すと、広辞苑や和英、英和辞書なんかが使えます。入力は手書きなので読み方が分からない
漢字も調べられるんですよ。それから、ハングル文字や中国語も認識されます」
「そういえば、シャープと言えば電子辞書!
これだけの辞書がパソコンの中に入っていて、
ページをめくらなくても調べられるわけだ」
「これが手書きの画面だね」
「『電卓』を押すと?」「タッチ式の電卓が表示されましたね。このノートPCには10キーがないので、
直接押して使える電卓機能は意外と便利なんですよ。
また、インターネットのお気に入りを表示させて、タッチするだけで、そのサイトを表示させることもできるんです」
ということで、今回は絵を描くところまではいかなった。なにしろ私が使っている10年前のパソコンとは、全然違う画面が起動したので、それだけで困ったなと内心、思ったのだ。しかし、小さな画面をタッチするだけで、操作ができることが分かりちょっと安心。僕が普段、パソコンでやっているのはインターネットでニュースを見たり、調べ物をしたり、あとは知人とメールのやりとりぐらい。絵は手描き、パソコンで描くことはないが、この小さいなキャンバスを見たら、何か描きたくなってきた。そのことはまた次回に。