2009年5月15日金曜日

思わず絵を描いてしまいました。安西水丸



自分でも物持ちがいい方だと思っている。うちで使っているノートPCは、10年ぐらい前のものだ。もっぱらインターネットで、調べ物をしたり、知人にメールを出すぐらいにしか使っていないので別に不自由は感じない。それでも新しいモノには興味津々なので、悪友にそそのかされて、最新型のミニノートというのを使わせてもらうことになった。僕のためにわざわざわ奈良からメーカーの方が先生として駆けつけてくれるという。メカにはさっぱり弱く、すぐに自棄を起こしてコンセントを引き抜いてしまう口なので、先生がいれば少しは安心できそうだ。こうして僕の新たな挑戦が始まった。先生の名前は仮にH先生としておこう。


「このノートPCの最大の特徴は気持ちが伝わることなんです」
「どうやって気持ちを伝えるのかな?」
「キーボードを使わずに、ペンを使って文字や絵を描けるんです」
「この手前の小さな窓みたいな画面に絵が描けるの?」
「ちょっと試してもいいかなあ〜」
「ええ、本体の横に専用のペンが収納されているんで、取り出してください」
「このペンの動きを感じるというわけ?」
「そうです、でもペンだけじゃなくて指にも反応するんですよ」
「いままでも、液晶画面がタッチパネルになっているものはありました。
でも、ペンが使えるものは、軽い指タッチがダメで、
その逆に軽い指タッチが使えるものはペンがダメといった
制約がありました。この光センサー液晶パッドは、
指やペンの動きを影絵のような像として感知するので、
どちらも使えるようになったんです」
「なんかにぎやかな絵が出てきたねえ」
「この背景は好きな絵や写真に入れ替えられるのかなあ〜」
「もちろん、お好みの画像に変更できますよ」
「それじゃあ悪友の小平くんの撮った写真がいいな」
「まず、メモリーカードを本体の横にあるスロットに差し込み、
『フォト』で『メモリーカード取込』をタッチすると、
自動的に画像が読み込まれます。
次に『SHAPP 液晶パッド設定』の『背景』で
いま読み込んだ画像を選択するとこうなります」

「これはいいね! ずっと見やすくなった」
「では、改めてこの真ん中にある『タッチ操作へ』というボタンを押すと、
手描きイラストのための画面に移動します」
「手描きイラスト以外にも、いろんなボタンが出てきたよ。
これも指かペンでタッチすると機能が呼び出せるのかな?」
「そうなんです、例えば『電子辞書』のボタンを押すと、広辞苑や和英、
英和辞書なんかが使えます。入力は手書きなので読み方が分からない
漢字も調べられるんですよ。それから、ハングル文字や中国語も認識されます」
「そういえば、シャープと言えば電子辞書! 
これだけの辞書がパソコンの中に入っていて、
ページをめくらなくても調べられるわけだ」
「これが手書きの画面だね」
「『電卓』を押すと?」
「タッチ式の電卓が表示されましたね。このノートPCには10キーがないので、
直接押して使える電卓機能は意外と便利なんですよ。
また、インターネットのお気に入りを表示させて、タッチするだけで、
そのサイトを表示させることもできるんです」
ということで、今回は絵を描くところまではいかなった。なにしろ私が使っている10年前のパソコンとは、全然違う画面が起動したので、それだけで困ったなと内心、思ったのだ。しかし、小さな画面をタッチするだけで、操作ができることが分かりちょっと安心。僕が普段、パソコンでやっているのはインターネットでニュースを見たり、調べ物をしたり、あとは知人とメールのやりとりぐらい。絵は手描き、パソコンで描くことはないが、この小さいなキャンバスを見たら、何か描きたくなってきた。そのことはまた次回に。